お金は銀行に預けるな(勝間勝代)

 

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

 自分のレベルにちょうどよい。自分のレベルというのは、ほとんど金融リテラシーはないが、金融に興味があるというレベル。こういった人には、かなりお勧めである。また、金融に興味がなくても、資産形成といったら預金だというような人には、ぜひ読んでもらいたい。自分の友人なんかでは、そういったことを発言する友人が多い。なぜ預金なのかと聞けば、なにも答えられないのが理由である。なにも答えられないというのは、知らないのである。お金は、預金していればいいという概念のままで、そこから変わっていない。
 本著の中で、日本人のお金に対する意識が書かれているが、素晴らしく現状を切り取って言葉にしている。むしろ、個人的にはそういったところに関心がわいた。金融リテラシーに関して金融商品の説明であったり、資産形成の方法も素晴らしい。だが、1章での動機付けのところで、金融リテラシーがないことによって、長時間労働につがなり、それが、少子化をもたらす。とか、4章での、お金をどこに配分するかは、政治的にも自己の表現につながる。という視点が、本当に新鮮であり、刺激を受ける視点である。多くの金融リテラシーの本がでているが、やはり、同じようなものになりやすい中で、売れている本は、視点が非常におもしろいと思う。そういった意味では、本著は、非常に良書であり、僕レベルのスタートにもってこいの本である。