プロフェッショナルの条件(P.Fドラッカー)

 ドラッカーを何か読んでみたいと友人と話をしていたら、でてきたタイトルである。確かに、人に勧めるならこの本かなと、他のドラッカーの本を読んでいないのにもかかわらず、勝手に納得している。自分がそう感じた理由は、ドラッカーの体験談が語られているからである。体験談が書かれている本を読むとその人との距離がかなり近くなる。よって、ドラッカーという人の本に興味があるのであればお薦めである。
 この本の初版が発行されたのが、2000年である。ということは、これよりも翻訳の関係から何ヶ月か前にドラッカー自身が書いていたと考えると「どんだけ時代をつかむ能力に長けているのだ」と感じる。それが、彼の得意な能力なのであろう。考えていてわかるけれども、言葉にできないことはたくさんある。時代をつかむときに、頭ではなんとなくわかっているがそれを言葉にできないことが多い。そこが、飯を食えるか食えないかの壁なのかもしれない。そんな頭で悶々とていることを、しっかりつかんでいる書を読むと思考が整理されて気持ちがいい。この気持ちよさが読書のひとつの極みであると感じている。逆に自分には、思考を整理する能力が足りていないということも確認させられる。