日本HP昭島工場に行ってきました。

日本でPCを組み立てているところがあると聞いていた。
・なんで日本なのか?
・なんでもっと組立コストが安くなるところではダメなのか?
そんな疑問を抱きながら新宿から40分の旅路にでる。
メモ程度のまとめなので、詳細は以下を参考にして下さい。



日本HP 東京 昭島工場見学プログラム
日本HP昭島工場見学レポート「MADE IN TOKYO」のPC&サーバは昭島で作られていた!
日本HP昭島工場ツアー体験レポート
日本HP昭島工場に行ってきました。


工場見学の前に昭島工場の概要やらHPのサプライチェーンの説明からスタート


★昭島工場の概要

従事者数:400〜450名
組立しているもの:PC及びサーバー プリンター以外の商品
生産体制:24時間体制(2シフト製)
     8:30〜17:30
     18:00〜6:00
PC組立方法:ライン方式
       多品種/少量(変量)生産 30000通の組み合わせ
       6mのラインで1日フル稼働で5000台 ペーパーレス化、バーコード管理の徹底
サーバ組立方法:セル生産方式


生産体制は、最近はフル稼働しているわけではないとのことでした。
でも、1日フル稼働して5000台のPCを仕上げる生産能力は僕の頭の中の桁は違っていました。


生産方式は、完全注文仕様生産方式
CTO(configue to order):注文仕様生産
BTO(build to order):注文生産
違いは、メニューがないのがCTO
例えば、SUBWAYは、CTO。モスバーガーはBTO
昭島控除工場ではCTOを実践している。


もちろん、ISO9001、ISO14001は取得済み。環境対策も徹底ていて以下のような取り組みをしている。
(昭島工場に限ってというよりもHPが掲げている環境対策であろう。)
★環境対策
・「グリーン調達」
・「6R」
  リデュース(量を減らす)
  リユース(繰り返し使う)
  リサイクル(資源に変える)
  リヒューズ(受け取らない)
  リターン(返却・再利用)
  リコメンド(推奨する)


★東京でやる意味(HPのサプライチェーン
⇒それぞれのニーズに対応するため、それぞれの地に工場を建設する。例えば、新興国に対してはスペックの低いものを大量にとか、先進国にはある程度の技術対応できるようにと考えた結果。「日本人の目は厳しい」らしい。個人のITリテラシーが高いのかなと思ったが、日本人のITリテラシーが高いとも思えないので考えさせられた。


以下HPのサプライチェーンに関して
世界を3つに分けてる
アメリ
・ヨーロッパ・アフリカ
・アジアパシフィック/日本


その3つの中でもアジアパシフィック/日本に特化してみてみると
・日本
・中国(上海、重慶重慶は建設中)
シンガポール
・オーストラリア
・インド
→それぞれの工場が受けもつエリアが決まっている。「日本は日本」「中国は韓国、モンゴル」「シンガポールベトナム、タイ、インドネシアとか」


PCを例にとれば、日本の工場で組み立てられている90%が5台未満、70%が1台もの。


★受注から消費者の手元までの流れ
まず、グローバルサプライチェーンプランニングに世界中の注文が集まってく。それを複数のサプライヤーからパーツやらを調達する。ここで、複数のサプライヤーから調達するというところがポイント。ひとつにサプライヤーを一社に限定しないことは、不良品がでたときなどのリスク分散効果が働く。二つ目に、価格競争原理が働き、最終的に消費者への価格転嫁できる。


その後は、調達して各生産拠点のへ分散して組み立てて消費者へという流れ。


世界中の注文をまず一箇所に集めるメリット
・ボリュームあるから購買条件は強くいける。
・ワールドワイドレベルのフレシクブルさ

また、預託生産(VMI)方式をとることによって、必要なときに必要なものがないということはない。
※預託生産→サプライヤーの資産を工場に保管しておいて、使いたいときに使う。「山形の薬箱のイメージ」といってました。


注文を受けてから5日に納入する仕組みが作られている。つまり、月曜日にオーダー頂けば、金曜日にお届けする。1日目〜4日目で組立、梱包、配送準備をし5日目に発想する。だが、問題となるのは、北海道などの遠隔地である。そういったところにはトラックで1日で運べない。速く送るために空輸すると輸送費上昇し価格にも反映してしまうので、遠隔地からの以来は優先して作成しているとのこと。


いよいよ組立工場の中へ。


★工場見学
PC製造部門は以下のような流れ

アッセンブリー(組立)⇒プリテスト(初期動作試験)⇒ラン イン(連続動作試験)⇒ソフトウェア インストール⇒抜き取り検査⇒梱包


1、アッセンブリー(組立)
→ライン4本、バーコード管理されているがシールで管理している。


2、プリテスト(初期動作試験)15分〜20分くらいとのこと
→各種受注の設定条件、スピーカーの確認等。スピーカーの確認はただ電子音をだすだけでなく、具体的に「five」となったら5を押すみたいな仕組みでした。


3、ラン イン(連続動作試験)
→重い付加をかけてみたりして動作確認(動画、音楽を同時に再生させるとか)


4、ソフトウェア インストール
→そのまま


5、抜き取り検査
→ランダムに4%を抜き取って品質チェック(この4%は統計学的にでてきているのでしょう)
→漬物石をPC上に乗っけて動作確認とかしたりもするらしいです。昔はモニタがおもかったから、それを横置きのPCに乗せて使う人が多かったのでこれが始まったとのこと。日本独自らしい。でもいまはモニタが軽くなりましたからね。。。


6、梱包
→動作確認は完了しているので、保証書がここで貼られる。ひとつひとつ手作業だったことが意外に感じた。
→ここでも4%が抜き取られてチェックされる。ここでは、間違ったサプライ商品をいれてないかとか、動作確認とからしい。


※梱包後の振動検査1日1モデルにつき1回
→輸送時の振動耐久を確認するため。トラックが100KMで1000kmを走ることを想定してとのこと。


ここで、もし4%の中に不良品がでたらどう対応しているのかという質問がありました。
まずは、それが一過性のものなのか、根本的な不良品なのかの判断をする。その為に、その後の170台をチェックするとのこと。その中にまた不良品でたら170台チェック。170台問題なければ元の4%ルールに戻すとのこと。


また、輸送時トラックに積み込むときに一番下にひいてある。パレットといわれるもものを本来は木製なんですが、ダンボール製にしたらしいです。木のパレットってかなり重いんですよね。


サーバー製造部門
→生産工程はセル生産方式が大きく違うが、全体的なながれはPCの製造工程と一緒。


Factory Express
なんて言えばいいのかな。サーバーの組立こっちでやっちゃいますよというのが原点にある。たくさんのサーバーがおくられてきても、置かれて身動きがとれなくなって組立られないでしょというところからきたと言っていました。レベル1〜レベル5までサーバーのボックス組立からコンサルティングまであり、それぞれに応じて対応している。


最後に運送。
ヤマトがやっている。ちょうど、windows7が明日発売だったので、すでに出荷されていきましたとのこと。ここでは、モニターとか、プリンターとかはないので、輸送会社のところでまとめてもらって、お客さんには一回で届くような仕組みを構築している。


★簡単な感想
工場内部に入って驚いたことは、キレイなこと。そしてそのキレイな現場から効率的な組立がなされている。大きな改革より日々のカイゼンをして効率化を図っていく。その効率化のノウハウは世界レベルで共有されている(マニュアルも世界で共通であって。好事例も世界で共有されている。とのこと)。そして、徹底的なテストを実践し顧客満足度の追及している。HPが世界で一番PCの出荷台数が多いことは、仕組み化されていることはもちろんのこと、こうした現場レベルでのカイゼンの積み増しで押し上げられていると感じた。


HPだけでなく他の工場を比較してみたい。
次は、ガンダムだな。