電子書籍元年は、また来年 〜ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書)
日本の電子書籍元年は、いつになるのであろうか。
シャープがガラパゴスを発表。各キャリアが電子書籍関連サービスを発表。
だが、amazonが電子書籍の貸し借りを可能にした発表を聞いて、日本が周回遅れでなく、まだスタートをきっていないことに気づいた。
- 作者: 大原ケイ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/09/09
- メディア: 新書
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本著は、アメリカでの本のデジタル化の話である。契約形態とかで日本でなぜ、本のデジタル化の話が進まないのかを考えさせられる良い材料である。
あえて、電子書籍でなく、本のデジタル化と言っているのは、写真もCDも通ってきたデジタル化という道を強調したい。
そう、いまに始まった話ではないことは誰もが承知。写真もデジタル化され、町の写真屋はつぶれるところもあれば、撮影技術などを活かして存続するとこもある。
最近、渋谷のHMVが閉店になり、日本においてようやくCDもデジタル化の変化によって淘汰された。アメリカ比べて何年遅れであろうか。HMVはこうなることを黙ってみているしかなかったのであろうか。
本は、写真やCDよりも、退去する必要性のあるセクターが多いと言われる。書店、取次ぎ、このへんが、デジタル化されたらなくなる。
いや、なくならない。紙はなくならない。CDもなくならない。紙の写真もなくならない。なぜチャンスと考えられず、驚異としか考えられないのであろうか。ルールが変わるときは、チャレンジャーしか喜ばないからであろうか。アマゾンはチャレンジャーなのだろうか。
日本でも電子書籍は携帯小説とか、携帯漫画とかで十分な市場があるとおっしゃるヒトもいるが、その程度なのであろうか。
デジタル化されるメリットを享受できず、周りが圧倒的なスピードで走っていくのをみているだけしかないのであろうか。みている余裕がどこにあるのであろうか。
浅い考えだけでも、十分な可能性を感じる。メディアミックスは死語になったが、登山家の栗城くんの本をiphoneやipadで読んで可能性を感じなのであろうか。
本という活字を提供するだけなく、物販を直接からめたり、講演でも、旅行でも、それらの広告でもいい。無限大にデジタル化によって可能性が広がる。儲けるチャンスが広がるでないか。
出版社なんてカテゴリにとらわれなくていい。
紙の本がゼロになるとは思ってもいない。
自炊生活をしていて虚しくなるヒトは多いのではないか。epubの縦書き対応とか、明るいニュースは多い。
電子書籍は、貸し借りもできる。ラインもひける。メモもとれる。引用もすぐできる。
後の検索性にも優れ、知の有効活用を促進するツールになるうる。
既得権益なんて糞だ。という言葉でまとめるには、もったない。