行動経済学(多田洋介)

行動経済学入門

行動経済学入門

 新しい経済学は、標準的経済学で考慮しきれていないが、実際の経済学では働いている原理現象をとらえているところだと言える。標準的経済学を否定するようにもとらえることができるのだが、そうではなく補足しているのであろう。補足といったが、今後どちらが補足になるのかというところがおもしろいところである。本著は行動経済学入門とあるが、行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書) [ 友野典男 ]こちらのほうが個人的には読みやすい。読み比べてみると、理解がより進む。(読み比べてもほぼ同じような内容ではあるのだが)
 行動経済学に触れてひとつ思ったのは、学習をするうえで母国語が日本語であることが不利であるということ。新しいものの共通言語はやはり英語であり、日本語が母国語であることの情報格差を再認識することになった。確かに日本は、日本語が残っていることに素晴らしいところがあるのだが、これからの時代、むしろすでに始まっている時代においては、英語くらいはわからないとダメだろう、という感じである。まぁ、こんなこと言ってないで、さっさと英語の勉強をすればいいのだが。