ジムクレイマーの株式投資大作戦(ジムクレイマー)
- 作者: ジムクレイマー,James J. Cramer,井手正介,吉川絵美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 単行本
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アメリカでは絶大な人気のある投資アドバイザーらしい。内容に関しては、投資と投機を融合させ、学者が書く投資関連の本よりも実践的である。そして、具体的である。資産運用すると言っても、果たしてなにを勉強して、どうやって運用したらいいのわからないという人には、もってこいの内容である。初中級者くらいの人は、読んでみるべきであろう。
日本の「投資なんかで稼いだお金よりも、汗を流して稼いだお金の方を善しとする考え方」に疑問を感じることは多々ある。その思考が日本の金融に関する教育の遅れにつながっていると考えていた。だが、アメリカも金融教育は、国ではしていないらしい。つまり、自分たちどうにかしている。国がやらないなら、民間がやる。要は必要なものは、どんどん作られていく。これは、アメリカの底力なのかなと思った。そして、日本の誰かにやってもらおう思考を生んだ教育が、日本の教育がおかした罪であると感じた。要は受動的でなく、主体的に行きていかなければ、資本主義のサバイバルで淘汰されてしまう。
また、初心者の投資家が陥りやすい考え方として、買った基準をその後の指標にしてしまうことが指摘されていた。まさに自分もその通りである。理由もなく買った値段を基準にして、次の判断をどうするかなどと考えていても本末転倒である。確たる理由付けが重要であるのと同時に、自分の基準をつくることの重要性を強く感じた。
自分の基準づくりのひとつにポートフォリをどうするかがある。年齢別考えてどうやって組むべきかというひとつの視診を提示していた。インデックスファンドを持ち続けることが、最終的には、市場のリターンを上回るというのがあるが、それだけではもったいない。しっかりとホームワークをして、理由付けをして銘柄選択をすれば、インデックスファンド以上の結果をだせる。そして、ここで重要なのが、その比率をどうするかである。要は、長期的にインデックスにするか、短期のリターンをとりにいくかどちらか一方という考え方を緩めることが、ひとつの指針である。そのふたつのバランスを自分の現状に会わせればいい。ここでも、自分の仕組みをつくり、つくるでだけでなく、変化に対応していく。変化に対応できる仕組みをつくることが重要なのだ。その自分なりの仕組みをつくるには、かなり参考になる一冊である。
こういった、投資本で本格的なもの(すぐに儲けがでるとかでないもの)が日本からあまり生まれないのは、日本の弱みだと思う。自分がそういった本に出会っていないだけなのかもしれない。だが、本格的なものは売れない。要は、株なんかをギャンブルとしてみる人がまだ多数いて、資産運用とい概念を持った人があまりにも少ないのだと考えられる。最近は、団塊の世代が資産運用に興味を持ち始めたため、基盤ができつつあるが、他国と比べると何年もの開きがあるだろう。日本も変化に対応していかなくてはならない。日本は変化に対応しにくい思想を持っているのかもしれない。そうなるとこれからの日本をかなり悲観的に見ざる終えない。