脳を活かす勉強法(茂木健一郎)

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

茂木さん単独の本は意外にも始めて。フューチャリスト宣言で出会ってからブログやその中での講演のMP3を聞いていたから身近に感じていた。だが、結局は本を手にとることに本が消えない理由があるのであろう。

 書店では、勉強本が売れている。棚をみれば、○○勉強法といったものが身に付く。楽天のビジネス書ランキングでもトップ20の中にそういった類のものがいくつも入っている。また、新宿東口の紀伊国屋で店員と出版社の会話を聞いていたら。○○勉強法とかは、とにかく売れるなんてことの話をしていた。内容にかかわらずそういったタイトルをつければ売れるとのこと。ここまでくると勉強法バブルかと思ってしまう。ドットコムであったりバイオという言葉が、会社名につくだけで、株価が跳ね上がった時代を思いだす。それはいいとして、去年、一昨年くらいは○○力が流行った。要は、流行るタイトルは違えどみな自己成長という人間の本質を追求したがっているのであろう。学習とは死ぬまで続く行為なのである。

 学習やら勉強やらという言葉と、脳の働きというのは連想が容易につく。そんな脳を研究対象としている脳科学者の茂木氏が勉強法について書いているのだから、本質をしっかりと語っているのではないかと思って手を伸ばした。かなりわかりやすい。茂木氏もどのくらいレベルで話せばいいのかというのが理解できているのであろう。そして、脳という人間の本質について語っているため、どんどんひかれていく。読みながら自分の暗黙知を代わりに言語化してくれているような感じだ。これが非常に心地がよい。一気に読了してしまった。

 著者が言う「地価社会」で生き抜いていくためにも、「猛勉強」の必要性を改めて再確認させられる。脳科学という立場で筆者は語っているが、そんなカテゴリは関係ない気がする。みんながもっといろんなことを知る必要がある。そして、それを組合わせて付加価値を生みだして生きていかなければならない。
「学習」だともいえる。ゴルフのスウィングがうまくなるのも、営業成績がよくなるのも学習。学校を卒業し、社会にでてからも、脳は、ずっと学習を続けている。人生の経験すべてが「学習」であるとも言える。人間が万物の霊長たるゆえんは、この「学習する力」にほかならない。ほかの動物と比べてここが秀でている。
→知識集約的な時代になるにつれて、学習の重要性が高まり、学習しないと淘汰されてしまう。