投資の科学(マイケル・J・モーブッシン)

投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い

投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い

 複雑な現代において、ある特定の分野だけに固執しているのでなく、より多様な視点が必要になり、その多様な視点があらたな発見を導きだしてくれる。この現代のとらえ方が非常に的確であり、共感できる。脳科学の視点からみても、多様性をうけいれるということは、意外な発見につながり、脳に報酬をもたらすので、先につながる。あの湯川秀樹も専門的な要素が強かったのもあるが、博学であったためノーベル賞をとれたのだと言われている。いかにして、多様なことを受け入れ、それを自分の分野に活かすか。この能力が、知価時代においては、今後さらに求められるようになるであるだろうと考えられる。

 多様性をうけいるということは、無意識にできる人もいれば。意識しなくてはできない人もいる。また、個人の中において、無意識にできるところもあれば、意識的にやらなくてはできないところがある。また、宗教なんかは意識的に多様性をうけいれるとしても難しいところであろう。養老孟司氏の「バカの壁」において、バカの壁がなんなのかを考えさせられた。壁があることによりバカになるともいえる。そして、バカの壁がない人というのは、多様性を受け入れる人であるともいえる。この壁を自分で取っ払う必要性がある。

 グローバルという言葉は、死語になりかけている。だが、何においても壁のないグローバルな状態必要になってきている。そういう時代になったからそれに対応せざるおえない。「フラット」という言葉が適切なのかもしれない。そして、以下の言葉がいつなんどきにも身にしみる時代である。

 「最も強い種や最も賢い種が生き残るのではなく、最も変化に順応できる種が生き残るのである。」ダーウィン