10年先を読む長期投資(澤上篤人)
リーマンが、チャプター11申請で実質破綻。バンカメがメリルと救済合併。次は、AIGか!?などなどと歴史に刻まれるであろう日々が続いている。
- 作者: 澤上篤人
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 新書
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格好の買いどきがきた。もう少しでくる、と考えている人もいるから市場で値がつく。売る人もいれば買う人もいるのである。これが本当におもしろい。
澤上氏は、「さわかみファンド」を率いて日本の資産運用に一石を投じてやろうと1999年に設立。そこからいまでは、独立系といわれる投信会社が続々と設立されている。たとえば、、「セゾン投信」、「楽ちん投信」、「かいたく投信」等々(思いつき順なんで、なんで○○がはいってないのとか言うのは勘弁してください。)
なぜ販売会社を通さず独立系なのか。多々要因はあると考えられるが、個人的には、同じ志を持った人間が集まってきているというのは大きいのではないかと思う。
こんな景況感で、みんながリスク資産から引き上げていく中で、長期投資を前提に考えている人にとっては絶好のチャンスがきたと考えている人も多いであろう。
だから、ファンドからお金が逃げていかない。多少は増減するであろうが、大きな変化にはならないと考えらえる。そうなるとファンド側も自分達の考えどおりに運用ができる。
逆に、お金が逃げていけば、しょうがなく売りをだす必要性がでてきて、ファンドの考えどおりに運用ができなくなり、リターンも悪くなり、お金も逃げて・・・というような悪循環におちいる。そう考えれば、同じ志を持った人間が長期投資にお金をだすというのはでかい。ファンド側としては、あとはリターンをだすだけである。
本著では、長期投資での心構えがわかりやすく説明されている。難しい経済用語もなく、これから投資を始めようと思っている人も長期投資というひとつのスタンスを学べる。
よくよく考えているれば、長期投資においては短期投資よりも自分の気持ちによるところが大きいように思える。本著でも言われているが、それなり忍耐が必要である。
ただ単に忍耐強くいるということは困難である。そこには自分の核が必要となってくる。その核をもとにして市場の変化に対応していく。その核を何に据えるかを資産運用を始める前に考えるべきと考えさせらた。