日本電産永守イズム挑戦
以前、カンブリア宮殿に出演されているのをみて永守氏には興味をもっていた。
2004年に同タイトルで出版され、それが文庫化されたものである。文庫化されるということは、元の本は売れていたということでそれなりに価値があるのではないかと安易に思っていたが、それだけが要因でないような気もする。
日本電産永守イズムの挑戦 (日経ビジネス人文庫 ブルー に 1-32)
- 作者: 日本経済新聞社
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 文庫
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日本電産が、三協精機製作所を復活させるエピソードに沿って、日本電産の考え方、永守氏の考え方が示されている。また、日本電産の歴史、永守氏の自伝的な要素もあり、永守氏の本を他に読んだことがないが、日本電産、永守氏を知るにはよい一冊ではないかと思う。
昨今、金融市場が大騒ぎしている。実体経済も弱い。そんなときに永守氏の言葉に触れ、やるしかないと感じさせる。すこし考え方が古いと感じる人もいるであろうが、人間を動かしているものはなんなのかを考えさせられる。
「経営を考えるときは数字で」、「M&Aの対象を探すときは技術で」、というように定量的な考え方をもっている永守氏から発せられる定性的な言葉が心に響いてくる。心に響くということは、自分に足りていないところでもある。
自分に足りていないところは、自分ではなかなか気づかない。自分に足りていないところを改善することが自分を成長せさせることだとすると、気づかせてもらうことが大切になる。
では、どうすれば気づくかである。日常から個人的にアンテナを立てて自発的に気づく人もいるであろうがなかなか少ないであろう。外部要因のほうが多いように思う。となると、人とコミュニケーションをより多くとることが大切になる。そんな当たり前のことかと思ってしまうが、その当たり前の中でいかにアンテナの感度をよくしておくかが大切かを考えさせられる一冊となった。