ナポレオンで仕事上達(斉藤孝)

ナポレオンを知り尽くしたから、そこに自信がうまれ、仕事にできる。

『私塾のすすめ』で斉藤氏はナポレオンをロールモデルにあげていた。そのとき、なぜナポレオンなんだという点が腑に落ちなかったことを思い出し手にとって見る。仕事ができる人の共通項をまとめていくとナポレオンで説明できる。すなわちそれは、ナポレオンは仕事ができるやつであった。


最近は、仕事ができるやつは、どんなやつだといった本や雑誌での特集を目にする。様々な仕事のできる人が時間管理術やマネジメント術を紹介して、こういった人が仕事ができる人だと定義しているように感じる。


そこで感じる違和感は、ひとつにいいとこ取りをしようとしているところである。それによって焦点が分散してしまい。あの人のこのやり方もいい。この人のこのやり方もいい。といっている間に自分というものが何も残らなくなってしまう。


いろんな人の所作をマネて自分のやり方を築きあげられれば非常に理想的だか、築きあげられなければ、なんとなく自分は仕事ができるようになった気がしているが実際は何も変わっていない状態になってしまう。僕はそれを一番恐れている。


ロールモデルは3人ぐらいがベストなのかもしれない。斉藤氏は、ナポレオン、ゲーテ、あと一人は…をあげていた。ロールモデルの定義というのはなかなか難しい。定義というよりか、どこまでいったらその人をロールモデルと言っていいのかという点。


○○がロールモデルであるというのは簡単であるが、本当にその人のことを知っているというのなら一冊の本が書けるくらいにならないといけないのかもしれない。それくらいしゃぶりつくすことによってこそ、ロールモデルとなりうるのではないかと考えさせられる一冊である。


本著の中身としては一番印象的であったのは、時間に関する点である。

時間の密度を濃くする。

人に与えられた平等なものは時間であると考えている。その時間の中で何をするかによって決まってくる。時間の密度を濃くするというのは、簡単に考えれば、一分間に5問解ける人と、一分間に10問解ける人では、後者のほうが密度が濃い。密度が濃い時間を過ごせば過ごすほど、人と同じ時間であっても成果は変わってくる。この時間に密度の意識は、常に心がけておかなくてはならない。