コンサルタントの「質問力」(野口吉昭)

質問力=仮説力+本質力+シナリオ力と言及している。どれもなくてはならないものである。


これを勝手に解釈すると。
質問力=相手のこと知る力+相手の言いたいことを汲み取る力+相手のことを思いやり、空気を読んで話を展開する力
と考えられ、質問力というと相手の言いたいことを汲み取る力が重要視されがちだが、本著においては、そういった左脳的な部分でなくもっと右脳的な部分によって質問というのは決まってくると考えさせられる。


コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)


質問といってもひとつの会話である。会話が弾むにはバックグランドに共通なものがあった方が話しが弾みやすいのは周知のことだと思う。著者は新しいプロジェクトにはいるときは関連する書籍を一日で30冊程度読み込むと言及している。それによって相手の土俵にのれるようになる。相手のことを知っていなければ、質問の際に相手をしることからスタートすることになる。もちろん、事前に調べただけでは、相手のことを理解したとまでは言えないかもしれないが、最低限同じ土俵に立てれば戦える。相撲をするのにサッカーのスパイクはいていっても意味がない。ふんどしをはいてけばいい。


この相手を知ることから仮説が立てられそれを実証していくような効果的な質問が打てるようになる。


効果的な質問というと本質的で左脳的な質問と考えるかもしれないが、ここでは、相手が心をひらく質問としよう。


質問も、質問という言葉を相手に投げかける所作だけだなく、相手の話を聞く態度も含めると考えよう。


そうなると、本質的にまとを得た質問をすることは当たり前であり、その本質をどのように相手から汲み取りだすかということになる。そこで重要となるのが聞き方であろう。オウム返し、言い換え等、相手に気持ちよく話しをさせるテクニックというのは普段の生活から磨けるため磨いても損はない。


そして、その聞き方の中で重要になってくるのがその場の空気であろう。空気とは非常に抽象的な言葉である。その都度、空気は違い、それに対する正解など考えられない。ここでも相手のことを思いやれば、その空気をすくなくとも間違った方向には捉えないであろう。


いい質問は、自分の中にあるのでなく相手の中にある。相手のこと徹底的に思うことによってそれを汲み取ることができる。