頭のいい人の短く深く眠る法(藤本憲幸)

人に平等に与えられた基準は、時間でろう。人によって寿命が違えど、一日が24時間であるということは平等であり、その24時間をどうのように使ったかで違いがでてくる。人の平均睡眠時間は、7時間といわれている。日本人の平均寿命が男女合わせて82.3年。だいたい24年は睡眠にあてていることになる。


この睡眠が3時間になったらどうであろうか。睡眠にあてる時間が10年になる。その差が、14年。14年の違いがあれば何かできそうな気がしてくるであろう。


この本を手に取ったのは、平均睡眠時間が8時間くらいあった大学時代。許された時間が無限にあるように感じていたが、実際は無限なんかじゃない。そこで、昼間も夜もアルバイトをして、2日おきて一日寝るような生活をしていた。最初は平気であったが、気づいたら肌はぼろぼろになり、頭も常にボーっとするようになり、常に眠い状態が続くようになった。


助けを求めてこの本に手をだすも、実践することができなかった。そして、社会人になり時間に追われるということを実感するようになり、それにともない、この本に手を伸ばしてみたというわけである。前置きが長くなってしまった。


頭のいい人の短く深く眠る法―頭と体が100%活性化する最高の眠り方

頭のいい人の短く深く眠る法―頭と体が100%活性化する最高の眠り方


短時間睡眠が目的なのではない、それによってなにが得られるかである。


なにかしらの目的があって、睡眠時間を快適に短縮したいと思ってこの本を手にとる人が多いはずである。その目的を紙にでも書いておく必要がある。それだけ強い意志が必要であると感じた。なぜ、強い意志が必要なのか。それは、これまで何十年と続けてきた睡眠の習慣を変えるからである。


短時間睡眠のポイントは、「日中に脳と肉体を酷使し、内臓の負担は最小限に抑える」ことがあげられる。


このポイントに対して意識しなければならないことが述べられているだけでなく、実際に短時間睡眠を実践するにあたっての、具体的行動基準が示されている。その点は、短時間睡眠は起きている時間が人より長くなるので、有効ですよ〜などと無責任に述べている著書とは違う。


個人的に意識しなくてはならないと思ったのが、起きる瞬間の自分との戦いである。著者もそこに全力を尽くせとおっしゃているとおり、そこが勝負だと日常の生活から感じる。その戦いに勝ち続けなければならないのがいまの目標となっている。