長期&分散で考える 投資の処方箋 【埼玉・浦和】

<プログラム>
第1部 講演
テーマ:投資の処方箋
講 師:中桐啓貴氏ガイア株式会社 代表取締役
テーマ:バンガードのトリビア
講 師:加藤隆氏(バンガード・インベストメンツ・ジャパン 代表取締役

第2部 パネルディスカッション
出演者:中桐啓貴氏(同上)、加藤隆氏(同上)、田村正之氏日本経済新聞社
生活経済部編集部員)、中野晴啓セゾン投信社長)
司 会:田口智隆氏(株式会社ファイナンシャルインディペンデンス 代表取締役


 年齢層は、30代から40代が中心だったのではという勝手な推測。もちろん20代の人もいたと思います。男女比は、男が8割〜9割くらいという感じ。夫婦もちやほやと見受けられました。こういうセミナーって男性中心だったりする。だから、余計に女性の数が気になった。


参加の目的は、ガイアの中桐さんの話を聞きたくて参加。浦和ってことで地元が埼玉の僕には行くしかないという運命を感じました。なので、簡単に中桐さんの話をまとめるのと同時に、全体のながれもざっとまとめておこうと思う。


(メモを参照してますんので、誤字脱字は頻繁にでますので多少の違いは勘弁して下さい。また、自分なりの解釈なので解釈がかなり間違っているところもありますのでご了承ください。)


§長期&分散で考える投資の処方箋 今後の新興国投資を占う(中桐氏講演)
 会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方で出会った中桐氏。中桐氏は、山一が破綻したときに、山一の新入社員だったとのこと。そこで、自社株を買っていて、株がゼロになり、分散してないことのリスクを実体験したという。後述するが、長期、分散、低コストを投資スタイルとする自分達の中では笑えた。


■まとめ■
1、不況下で株は底を打つ
2、新興国→先進国
3、資源より試練
4、セクター分散投資


1、不況下で株は底を打つ
 過去の株式トレンドのグラフを用いて、18ヶ月で底を打って上昇トレンドがくるという過去のトレンドからして、ここんとこの上昇トレンドもそれで説明できるというもの。人間なのだから、なにかしらの法則を元にして全体が動くというのはある。


2、新興国→先進国
 自分のポートフォリオを考えたときに新興国の比率が最近では高くなっていた。その理由は、経済成長率が高いので今後も株価は上がっていくだろうという考え方。ここでは、新興国は確かに成長するかもしれないけど、新興国というくくりの中で成長しない国もあるこを考えさせられた。


 例にでたのが、1900年の先進国は、米国、英国、アルゼンチン、ロシアとかなのである。歴史の知らない自分としては、「アルゼンチン?」という疑問は浮かぶ。アルゼンチンは先進国の扱いだったのである。『母を訪ねて三千里』はイタリア人がアルゼンチンのブエノスアイレスにて稼ぎに行く設定。イタリア人がアルゼンチンにである。最近の情勢を考えれば、考えられない。


 ここでいいたいのは、新興国といってもこれから先進国になりうるところを見極めることの大切さ。同時に今先進国だけれども今後怪しいところを見極めることの大切さ。


 今日の朝、フジテレビで中国の特集をしていたけど、教育をテーマにしてるところで、日本との教育レベル及びモチベーションがあらわになり、中国に出稼ぎに行く日も近いのかなと感じた。前提として自分は、教育が国をつくると考えています。GDPは今年に抜かれるでしょう。一人あたりGDPが大切だという人もいますが、稼ぐ人が稼げばいい時代なんかなと思う。それが合理的なのかもと感じて危機を感じた。


ちなみに、所得格差は日本はかなりないほうなんですね。ブラジルがトップで、米国、英国よりも所得格差はない。格差がどうだとかいっているが世界全体で考えれば日本なんてまだまだなんですよね。中産階級が多いのかもしれない。


話を戻すとどこに視点を当てれば、今後先進国に成りうる新興国を見出せるのか。


ひとつには、政治。要は、再配分の仕組みができているかどうか。独裁的な国家だったら、どんだけ国が稼いでもそれがトップにとまったままで、付加価値が発生する好循環が生まれない。とにかくオープンで再配分している国なのかとういのはひとつの視点。


また、中産階級が生まれるかどうか。投資信託の成り立ちは、UKで生まれて、お金が余った人達がでてきて、その人達が新興国に対して自分のお金を運用しようと考えたことが始まり。とりあえず、余裕資金が生まれないことには、投資資金は生まれない。投資資金が生まれるということは、十分に先進国の仲間なのですよという考え方。ではそれがどこの国なのか。それは、わからん。


3、資源より試練
 最近は、原油ETFや貴金属ETFの上場もあり、商品市場に対して考える時間が増えていた。最終的に、中桐氏の考え方は、質疑応答のところで聞けたのだが、資源は付加価値を生まないから資産を形成してく上で株価とは違うものだというもの。たとえば、金の現状での絶対量は決まっている。それに対して需給がどう反応するかで価格が決まる。逆に、株価は、企業が頑張れば右肩上がりも考えられるのだ。


 資源をもっている国は、資源にたよる。資源の価格が高いと何もしなくてもお金が集まってくる。資源の価格が下がれば、お金が集まってこないので逆になにかしなければならない。その過程で自由化が考えられる。だから、資源の価格が高いと自由化が進まないと考えられ、中東の経済は自由化がなかなか進まないのかと考えさせられた。


 フリードマンの『グリーン革命』は、自分は読んでないのだが、グリーン革命を進めることで石油依存をなくし、中東の民主化につなげるという考えを話していた、たしかにひとつの資源に対して依存する構造が危険だということに対する次なる一手をどんどん進めないと何も変わらないように感じた。


4、セクター分散投資
 上記に国の今後を考えることの大切さを考えさせられたが、正直わからないというのが本音である。では、国の分散がわからないとなったら、セクターの分散があるとういこと。セクター別のETFとかでているが、最近のトレンドとしてはセクター分散の方がリターンがいいのかな。中桐氏は、そこまでは言ってなかった。


※自分の考えとしては、「どこの国」で「どこのセクター」の「どの企業」が伸びるのか?という構図が考えられた
「どこの国」に・・・一番大きなくくりで、世界分散するという考え方。
「どこのセクター」に・・・国よりも少し小さいくくりだが、国をまたぐとういう考え方を提供してくれる。
「どこの企業」に・・・要は個別株です。
この3つの事象を考えると、国単位のものが分散が大きくリスクは軽減されが、リターンを考えるとセクター単位もに目がいきそうと思った。


§バンガード/加藤代表

「長期・分散・低コスト」

バンガードと通常の投資信託会社の違いはおもしろかった。要は、会社の仕組みとして顧客だけを考えられるか、株主も考慮にいれないといけないかということ。株主と顧客は考えが逆なのである。
顧客は低コストでやりたい。そうすればリターンがあがる。
逆に、株主は高コストなら利益がでる。そうすれば配当があがる。
誰のために働くのかと考えれば顧客だけ考えているバンガードは低コストがすすむ。そうすれば、お客様が集まってくる。そうすれば、もっとコストさげられる。という好循環のすばらしい投資会社。


この考えを提唱したボーグルの考え方が以下の本でみれるとのことなので紹介しておく。

波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る

波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る


§パネルディスカッション&質疑応答
 中野さんは相変わらず、営業して、ポジティブな考え方でよく話す。大好きです。
 田村さんは、初めてだった。笑いをとりたいと言っている割には、定量データをもってきて詳しく説明していただけた。為替を問題提起したあたりは、聴講者のレベルを考えているなというもの。「金利の高い国は、それだけ為替でもってかれる」要は、フリーランチはないのですよってこと。


 あと、アメリカの今後の方向性について質問がありましたが、全体としてあんまり不安を感じていないという意見でした。その中でも田村さんの言っていた「日本よりは、希望がもてる」という言葉はこれから、日本人投資家として考え続けなければならないとこだと思った。投資家としてだけでなく、ひとりの地球人として。


 「ETF投資信託はどっちがいいの?」という質問。低コストなのは、もちろんETFである。だが、長期投資するにあたって、積立ができなかったりするというデメリットもある。そしてETFは、購入時の手数料も考えなければならない。でも、最近では、信託報酬を安いETFにあわせる動きがでているらしくて、投資信託の今後の可能性も強く考えさせられた。





 自分なりの問題提起としては、銀行員の自分としてこういった長期、分散、低コストの人とはターゲットは違う。たしかに、銀行で販売しているものと、独立系の投信やネット証券なんかで売っているものを比べると銀行のものはぼったくりに近い。でも、銀行はあくまでも富裕層をターゲットにしてますね。富裕層って若くしてなる人もいますが、だいたい退職金を大量にもらっている人とかに対してセールスする訳で、ある程度まとまった金を短期で動かしたいという人が多いというのが背景にある(もちろん何も考えていない人もいる)


 そんなことを考えていたときに、このセミナーに来ている高齢者の考え方に疑問を感じた。リタイヤ直前、もしくは、リタイヤ後の人が長期、分散をやるということの疑問である。というのは、まだ、お金ためるのかということ。もう使って、死ぬときにゼロにすればいいんじゃないのかなと思う。確かにリスクを低減する意味での長期、分散だが、消費してもいいのではと考えた。もちろん投資することで企業に資本がはいるので意味がありますが、それって供給を助ける形ですよね。いま日本に足りないのは、需要ですよね。だから、もっとお金使いましょうよと考えさせられた。