タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」(川鍋一朗)


 タクシーって高いイメージが強い。それは田舎育ちが影響していると思う。田舎だとだいたいみな車を所有している。でないと身動きがとれない。つまり、車が必要となる移動距離が必然的に必要となる。歩いて次の一駅歩けるなんてレベルのお話ではないのだ。だから、タクシー乗ってワンメーターで降りるなんて距離はない。ほぼミドルかロングの距離。だから高いイメージが強い。


日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」 タクシー王子、東京を往く。

日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」 タクシー王子、東京を往く。


 だが、都内で働いているとタクシーに乗ることが普通になってくる。もちろん電車が優先である。だが、微妙に駅まで遠い(田舎感覚なら近い)と感じるとタクシーをすぐにひろう。田舎とちがってタクシーがいたるところにいる。だから乗ってしまう。根本にあるのは、時間的制約があるからとも考えている。


 本著を読めば、タクシービジネスがどうなりたつのか理解できる。また、なんであんなにタクシーの運転手が争うように運転しているのか理解ができる。そして、なんであんなに運転手が路上で寝ているのかも理解できる。


 社長という視点でというよりも、ユーザーの視点で書かれていると思う。それは、一ヶ月間という期間だからだと考えられる。マネジメント職が現場を知ることはもちろんだが、現場にかたよってはいけない。むしろ客商売なんだから、客の視点をもち続けなければならないと感じた。


 それにしても、電子マネーを使えるタクシー業者は少ないと感じる。というのも、タクシーを経費で使えるという恵まれた環境にあると、経費清算が簡単な電子マネーを利用することになる。経費を現金で支給される代わりに、パスモやスイカを持ちあらかじめチャージして頂ける。その中でやりくりする。もちろん電車、地下鉄が中心である。

 
 電子マネー清算を導入しているのは、日本交通さんとKMさんくらいじゃないかな。タクシーの「空車」を探すのと同時にスイカのマークがついているかも探さなくてはならないのは、寒くなってくるとよりキツイ。

 
 協会でどうにかならないものかな。でも、導入するにもタダじゃないしね。ワンメーターとかしか乗らないビジネスマンの意見はとおらないかな。でも、タクシーを使うきっかけでビジネスマンになってからという人が多いと思うからマーケティング効果はありそうだけどね。そこからタクシーへの抵抗がなくなりプライベートでも乗るようになると思うんだけどな。それはオレの場合だけなのかな。


 川鍋社長には、協会全体のIT効率化を頑張っていただきたい所存。